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詩篇 88章1〜18節 2017年8月1日 |
しかし主よ、わたしはあなたに呼ばわります。
あしたに、わが祈をあなたのみ前にささげます。(13) この詩篇の記者は非常に深い苦しみの中に置かれています。その魂は悩みに満ち、その苦しみのゆえに力を失って、まさに死が迫っているかのように感じられます。人々は彼を見捨て、離れていきます。その深い悲しみは肉体的な苦しみであると共に、社会的・精神的なものであり、また神に捨てられ、神の激しい怒りの下に置かれているというまさに神学的な悩みでもあったのです。
そのような中で、この作者は昼に、また夜に、主に助けを求めます。主に叫びます。主に向かって両手を挙げます。その祈りを神にささげます。確かに厳しい状況は続いています。しかし、そのようは苦難や弱さを正直に認めつつ、主ににじり寄るように祈るのです。
確かに祈ってすぐに答えられるときがありますし、また祈りの答えをいただくまでに時間がかかることがあります。実際、この詩篇はとても中途半端な終わり方で、ハッピーエンドにはなっていません。まだ苦しみがあるのです。しかし、主に呼ばわり、主の名を呼ぶところから救いは始まっていくのです。
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