バックナンバー
|
創世記 44章 1〜13節 2015年5月7日 |
家づかさは年上から捜し始めて年下に終ったが、杯はベニヤミンの袋の中にあった。そこで彼らは衣服を裂き、おのおの、ろばに荷を負わせて町に引き返した。(12〜13) さて食事が終わったとき、ヨセフは家づかさに命じて、弟ベニヤミンの袋の中に、ヨセフの家の銀の杯を入れておくように命じます。そして、次の日、彼らが町を出てまだ、遠くに行かないうちに、家づかさに彼らを追わせて、彼らが銀の杯を盗んだと言わせたのでした。
もちろん、彼らには全く身に覚えのないことです。彼らはもしそれが出て来たら、その者は死んでもいい、他の者たちも奴隷になる、と言い切ります。しかし、当然のように、ベニヤミンの袋の中から杯が出て来ます。
彼らはもう一度、エジプトのヨセフの前に立たなければなりませんでした。彼らは悲しみと恐れと不安を抱えながらエジプトに帰ります。しかし、彼らはベニヤミンを責め、彼を見捨ててしまうのではなく、ベニヤミンと共にヨセフの前に立とうと、その道を共に戻っていくのです。あきらかにこの兄弟の中には、かつてのような罪を一緒に犯すような一体感ではなく、悲しみや痛みをも共有するつながりが生まれていました。
|
創世記 44章 14〜34節 2015年5月8日 |
「・・・どうか、しもべをこの子供の代りに、わが主の奴隷としてとどまらせ、この子供を兄弟たちと一緒に上り行かせてください・・・父が災に会うのを見るに忍びません」。
(33〜34) ヨセフは兄弟たちを前にして、荒々しく語ります。ヨセフがどのようなつもりでいたのか、ヨセフの思いを想像することはできても、それを確かめるすべはありません。ある意味、兄たちの姿を確かめたいと思っていたのかもしれません。
厳しい口調で問い詰め、非難するヨセフに兄のユダが答えます。彼が語ったのは、自分の父親のことでした。自分たちと父親との間にどのような葛藤があったのか、どのような思いで父がベニヤミンを送り出す決断をしたのか・・・そして、もしベニヤミンが一緒に帰らなかったら、どんなに父が悲しむか・・・。ユダはヨセフににじり寄るように懇願します。どうかベニヤミンの代わりに自分を奴隷にしてください。そこには父親のことを心から心配し、身をはってベニヤミンのためにとりなす兄ユダの姿がありました。ユダはヨセフを売ってしまおうと言い出した張本人です。しかし、ヨセフはユダと兄たちが変えられていることを知ったのでした。
|
|
|