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創世記 31章1〜16節     2015年4月3日

主はヤコブに言われた、「あなたの先祖の国へ帰り、親族のもとに行きなさい。わたしはあなたと共にいるであろう」。(3)

 ヤコブがどんどん豊かになっていくことをラバンも、ラバンの息子たちも、嫉妬の目で見るようになっていきます。ヤコブにとってラバンの家にいることがだんだん居心地悪くなっていったことは確かでしょう。しかし、ヤコブを動かしたのはラバンやその子たちの嫌がらせや嫉妬と言うよりも、主が語られた御言であり、また主が与えられた「わたしはあなたと共にいる」という約束でした。
 ヤコブはラケルとレアとに語りかけます。そして、今まで、自分がどのように彼らの父ラバンに仕えてきたか、またどれだけラバンがヤコブをだましてきたかを正直に語るのでした。そしてヤコブは自分が聞いた神の語りかけについて妻たちに話します。レアやラケルを連れて自分の育った地に帰るということは、彼女たちにとっては全く見ず知らずの地に行くということであり、また自分の親にも二度と会えないということかもしれません。しかし、レアとラケルもまた、ヤコブと共に旅をする決断をしたのでした。

創世記 31章17〜35節    2015年4月4日

彼は一族を率いて、七日の間そのあとを追い、ギレアデの山地で追いついた。しかし、神は夜の夢にアラムびとラバンに現れて言われた、「あなたは心してヤコブに、よしあしを言ってはなりません」。(23〜24)

 ヤコブは義父ラバンには黙って、逃げるように出立しました。彼の妻たちや子どもたち、男女の奴隷やすべての家畜も全部連れて自分の生まれ故郷に帰るのです。そして、そこはヤコブが二十年前に主の語りかけを聞いた地でもありました。
 しかし、ヤコブがラバンのもとから逃げ出して十日目に、ついにラバンはヤコブに追いつきます。そして、ラバンは、ヤコブが黙って逃げるように自分のもとを立ち去ったことを責め、また自分の大切にしていた偶像がなくなったことで、ヤコブを非難したのでした。
ラバンはおそらく相当に怒っていたと思われますし、またヤコブに危害を加えるのに十分な武力を持っていたことでしょう。実際、そのつもりだったかもしれません。しかし、ラバンがいよいよヤコブに追いつくという前の夜に、主は夜の夢にラバンに対して語りかけ、彼を止められたのでした。

創世記 31章36〜42節    2015年4月5日

もし、わたしの父の神、アブラハムの神、イサクのかしこむ者がわたしと共におられなかったなら、あなたはきっとわたしを、から手で去らせたでしょう。神はわたしの悩みと、わたしの労苦とを顧みられ・・・」。(42)

 ヤコブが一人で兄エサウのもとから逃げるようにしてラバンのもとに身を寄せてから二十年・・・どんな風にヤコブが歩んできたかがよく分かります。ヤコブは二十年にわたってラバンの群れの世話をしてきました。昼は暑さに夜は寒さにさいなまれ、眠ることもできないほどでした。群れの羊もやぎも、きちんと守ることを求められ、もし盗まれたり野獣に殺されることがあれば、ヤコブがそれを償わなければなりませんでした。
 ラバンは自分の都合に合わせてヤコブの報酬を変えました。それは一度や二度のことではありませんでした。ヤコブは言います。もし、神が共におられなかったら、ラバンはから手で自分を去らせたことだろう・・・。しかし、まさにアブラハムの神、イサクの神がヤコブと共にいて、彼の悩みと労苦を見ていてくださって ヤコブを守ってくださったのです。ヤコブはそのことを思わずにはおれませんでした。

創世記 31章43〜55節    2015年4月6日

そしてヤコブは山で犠牲をささげ、一族を招いて、食事をした。彼らは食事をして山に宿った。あくる朝ラバンは早く起き、孫と娘たちに口づけして彼らを祝福し、去って家に帰った。(54〜55)

 ラバンの中にもいろいろな思いがあったことでしょう。娘たちや孫たちとの別れの悲しみや寂しさも決して嘘ではなかったと思います。しかし、同時に、ラバンはヤコブを恐れていました。ヤコブがますます豊かになり、また力をつけていけば、やがて自分たちの脅威になるかもしれない・・・。
 ヤコブとラバンはそこに石塚を作り、そこで共に食事をして、誓いを交わします。それはヤコブが、ラバンの娘たちを虐待したり、寂しい思いをさせることのないようにということであり、また、ヤコブがその石塚を超えてラバンの方に攻めて行ったり、またラバンがそこを越えてヤコブの方に攻めて行ったり、ということのないために・・・ということでした。
 ラバンはヤコブに危害を加えることなく、かえってヤコブとその家族を祝福して自分の家に帰っていったのでした。



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