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創世記 42章1〜17節 2015年5月2日 |
ときにヨセフは国のつかさであって、国のすべての民に穀物を売ることをしていた。ヨセフの兄弟たちはきて、地にひれ伏し、彼を拝した。(6) 七年間の豊作の年が終わり、厳しい飢餓が始まります。この飢龍は単にエジプトだけでなく、周辺諸国に住む人々をも襲います。ヤコブとその子たちの住んでいた地も例外ではありませんでした。ヤコブは、ベニャミンを除く十人の息子たちを食糧の買い出しをするためにエジプトに送ります。
ヤコブの息子たちは旅を続けてエジプトに着き、つかさの前にひれ伏します。彼らはまさか自分の前にいるエジプトのつかさが、自分たちが二十年前に売ったヨセフだとは夢にも思いません。しかし、ヨセフはすぐにそれに気づきました。ヨセフは不思議な事に、自分が若い頃見た夢が現実となっているのを見たのです。それは単に、ヨセフがその兄弟たちよりも出世して、兄弟たちを従えるようになるということではありませんでした。神は、ヤコブとその子孫たちを救うために、ヨセフを用いられたのです。その後のヨセフの対応は私たちには不可解に見えます。しかし、ヨセフは兄弟たちの誠実を知りたいと思ったのでしよう。
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創世記 42章18〜28節 2015年5月3日 |
彼らは互に言った、「確かにわれわれは弟の事で罪がある。彼がしきりに願った時、その心の苦しみを見ながら、われ われは聞き入れなかった。それでこの苦しみに会うのだ」。(21) ヨセフは、兄弟たちにひとつの提案をします。ひとりだけを残して、あとの一行は穀物を持って家に戻って急場をしのぎ、末の弟を連れてもう一度エジプトに戻って 来るという提案です。
兄弟たちには、ヨセフが持ち出した提案がとてもハードルの高いものであることが分かっていました。老境に達したヤコブにとって、ヨセフが死んで(と思っていて)、ラケルが死んで、ベニヤミンは単に末っ子というだけではない、少しでも手放すことのできない、つながりの強い存在であることを知っていたからです。
そのような中で、彼らは互いに話し合います。「確かにわれわれは弟の事で罪がある」。彼らはまさにヨセフの面前で、ヨセフのことについて話していたのです。ヨセフの兄たちは、この二十年自分たちのしてきたことと向き合い続けなければなりませんでした。彼らもゆるしを必要としていたのです。
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創世記 42章29〜37節 2015年5月4日 |
父ヤコブは彼らに言った、「あなたがたはわたしに子を失 わせた。ヨセフはいなくなり、シメオンもいなくなった今 度はベニヤミンをも取り去る。これらはみなわたしの身に ふりかかって来るのだ」。(36) ヨセフの兄たちは父ヤコブのところに戻って、自分たちの身に起こったことをことごとく報告します。自分たちがスパイの嫌疑をかけられたこと、シメオンが拘束されていること、そしてシメオンを連れ戻し、エジプトのつかさの信頼を得るためには、末の弟のベニャミンを連れて行かなければならないことでした。
しかし、ヤコブはその子たちが予想していた通りに、いや、それ以上に大きな抵抗を示します。べニャミンは絶対に行かせない、もしベニヤミンに何かがあったら、自分は死んでしまう・・・。長男のルベンがベニャミンの身の安全は保証すると断言しても、ヤコブは納得しませんでした。ヨセフを失うということは、ャコブが全く想像もしていなかったような災難であり、ャコブとしてはもはや何も信じられないという思いがあったのでしょう。確かにヤコブの後半生は苦難につぐ苦難であったと思います。しかし、ヤコブは主が大きな慰めを彼のために備えてくださっていることはまだ知りませんでした。
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