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創世記 30章1〜13節     2015年3月31日

ラケルは自分がヤコブに子を産まないのを知った時、姉をねたんでヤコブに言った、「わたしに子どもをください。さもないと、わたしは死にます」。(1)

 ラケルにはなかなか子どもができませんでした。ラケルは夫ヤコブの最愛の妻であるという誇りと喜びを持っていたでしょうけれど、子どもがなかなかできないというなかで、姉レアをねたむようになります。ヤコブも、やっぱり自分の子どもはかわいかったでしょう。ヤコブがレアの産んだ子どもたちを喜び、またレアが子どもたちを抱いて、しあわせそうにしているのを見ると、ラケルは耐えられなくなってくるのです。「わたしに子どもを下さい、でないと死にます」と、支離滅裂な発言をするラケルの姿の中にも、彼女の焦りを感じます。
 ラケルは自分のつかえめビルハをヤコブに与えて、ダン、ナフタリという二人の子どもを生ませます。姉レアもまた自分のつかえめジルパを与えてガド、アセルが生まれます。ラバンがヤコブをだましたために、ヤコブはレアとラケル、二人の妻を持つことになり、また、二人の党派心から、妻たちのつかえめたちとの間にも次々に子どもが増えていく・・・しかし、そのような人間の罪深さを越えて、主のご計画は着々と進んでいたのでした。

創世記 30章14〜24節    2015年4月1日

次に神はラケルを心にとめられ、彼女の願いを聞き、その胎を開かれた(22)

 この時代、「恋なすび」には受胎効果があると考えられていました。なかなか子どもを授からないラケルはライバルの姉レアの長男が見つけてきた恋なすびを自分のものにしてでも妊娠したいと願っていました。レアは夫ヤコブとの一夜を条件に恋なすびをラケルに手渡します。ある意味、ラケルはそれほど思い詰めていたとも言えます。
 しかし、その結果、身ごもったのはラケルではなくレアでした。「神はレアの願いを聞かれたので」と聖書は言います。レアにはその後、二人の男の子と一人の女の子が与えられたのでした。
 嫉妬の炎を燃やし、何としても子どもをと考え、自分の考えで右往左往するようなラケルは自分の望むものを得ることはできませんでした。しかし聖書は、「次に神はラケルを心にとめられ、彼女の願いを聞き・・・」と語ります。ついにラケルは身ごもり、ヨセフを産んだのでした。ラケルに子どもができたのは人間的な何かではなく、神の業でした。ラケルは神に信頼し、待たなければならなかったのです。

創世記 30章25〜43節    2015年4月2日

わたしは主があなたのゆえに、わたしを恵まれるしるしを見ました。(27)

 「ラケルがヨセフを生んだ後・・・」というのがどれくらいの年月を意味するのかは分かりませんが、ラバンのところに来て、十七〜八年の年月はたっていたかもしれません。ヤコブは、自分の親元に帰りたいと義父ラバンに申し出ます。そこには兄エサウがいることを思うと、この決断もよほどのものだったと思います。しかしそれ以上に、ラバンのもとでの生活は多くの苦難を伴うものだったのでしょう。
 ラバンはヤコブを慰留します。ラバンはヤコブには、主なる神がついておられて、自分にも大きな祝福をもたらしているということをめないではいられなかったのです。そして、そのことをヤコブ自身も知っていました。
 ヤコブは黒い羊と、やぎの中でぶちやまだらのもの、白味を帯びているものを自分に対する報酬として求めます。その後のヤコブの行為にどれだけの意味があったのかは分かりません。しかし、いずれにしても、ヤコブの取り分となった羊たちが増えていき、また強くなっていきました。ヤコブはますます豊かになっていったのでした。



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