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サムエル記上 25章1〜13節 2016年7月7日 |
その人の名はナバルといい、妻の名はアビガイルといった。アビガイルは賢くて美しかったが、その夫は剛情で、粗暴であった。彼はカレブびとであった。(3) カルメルにとても多くの羊や山羊を飼っているナバルという金持ちがいました。彼は羊三千頭、山羊一千頭を持ち、特に毛を切る季節はとても多くの収入を得ることのできる、心弾む祝いの時でもありました。他の金持ちもそうであったように、彼は自分で仕事をするというよりも、多くの雇い人を使って仕事をしていました。
さてカルメルにいたナバルの家畜たちですが、当然のように強盗たちの標的の一つになっていました。しかし、ダビデと従者たちは、ナバルの家畜たちを悪い者たちからいつも守っていたのでした。
羊の毛を切る季節になったとき、ダビデはナバルに使者を遣わし、喜びのお裾分けを求めます。しかし、ナバルはダビデなど知ったことかと非常に冷淡にダビデに遣わされた使者たちをあしらいます。
もちろん、ナバルはダビデのことを知らなかったのかもしれません。しかし、ナバルは自分の豊かさの背後に多くの人々の働きがあることを知らなければなりませんでしたし、また少なくとも、自分のしもべに尋ねるべきでした。災いが彼に迫ろうとしていました。
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サムエル記上 25章14〜31節 2016年7月8日 |
アビガイルはダビデを見て、急いで、ろばを降り、ダビデの前で地にひれ伏し、その足もとに伏して言った、「わが君よ、このとがをわたしだけに負わせてください・・・」。(23〜24) ナバルのしもべたちはナバルがダビデの使者たちをけんもほろろに追い返すのを見ながら、顔面蒼白になったことでしょう。ナバルの妻であったアビガイルが戻った時、すぐさまその日にあったことをアビガイルに報告します。アビガイルはすぐに事の重大さに気づき、行動を起こします。ダビデとその供の者たちのために贈り物を整えて、ダビデのもとに急いだのでした。
アビガイルがダビデのところに行こうとした道の途中で、武器を持ったダビデと従者たちに出会います。間一髪間に合ったのです。アビガイルはダビデの前にひれ伏して、夫ナバルの無礼をわび、贈り物を贈って、ダビデをなだめるのでした。アビガイルは「主」にすがり、主の前にあることをダビデに訴えました。
そしてアビガイルのとっさの状況判断と、知恵と行動力、そして、謙虚な姿が夫ナバルとその雇い人たちの命を救うことになったのでした。
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サムエル記上 25章32〜44節 2016年7月9日 |
ダビデはアビガイルに言った、「きょう、あなたをつかわして、わたしを迎えさせられたイスラエルの神、主はほむべきかな。(32) ダビデは自分の前にひれ伏して、謝罪し、赦しを懇願するアビガイルを見ながら、主が自分に血を流すことをとどめられたことを知ります。おそらくダビデはナバルの仕打ちに激怒していたことでしょう。しかし、アビガイルの姿はダビデの憤りを鎮めさせるものでした。そして、ダビデは、アビガイルによって大きな慰めを得、また主をたたえる姿を取り戻すことができたのでした。
さて、ナバルはその翌日に自分に起ころうとしていたことを全部知った時、恐れに震えたことでしょう。そして、十日後に彼は死んでしまったのでした。ダビデはナバルに正しい報いを与えられた主をたたえると共に、アビガイルに人を遣わして、彼女に求婚します。ダビデはアビガイルの中にある知恵、行動力、そして主の御前に生きる姿に魅力を感じたのでしょう。
そしてアビガイルはこの時も、またダビデの申し出を聞いて、すぐさまそれまでの安定した豊かな生活を捨て、ダビデのもとに来て、妻となったのでした。
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