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士師記 11章12〜28節     2016年5月11日

わたしはあなたに何も悪い事をしたこともないのに、あなたはわたしと戦って、わたしに害を加えようとします。審判者であられる主よ、どうぞ、きょう、イスラエルの人々とアンモンの人々との間をおさばきください。(27)

 攻めてこようとしているアンモンの人々にエフタはまず使者を遣わします。しかし、アンモンの人々が言うのは、全くの言いがかりでした。昔、イスラエルが約束の地に入って行くときに、彼らはモアブ人やアンモン人の領地には近寄りませんでした。主がそれを許されなかったからです。それはアブラハムの甥ロトの子孫たちに与えられた土地でした。今、アンモン人が主張しているのは、その時にイスラエルの民がアモリ人から勝ち取ったヨルダン川の東側の地です。アンモン人たちはそこはもともとは自分たちの土地だったと主張したのです。そして三百年にわたって住んでいるイスラエルの民に、そこは自分たちの土地だから出て行けと追い出そうとする。
 どうしても、アンモン人の主張を受け入れるわけにはいきません。そしてまたアンモン人も自分の主張を引っ込めるつもりはない・・・という中で、エフタは審判者であり、すべてをご存じの主に声を上げるのでした。

士師記 11章29〜40節     2016年5月12日

わたしがアンモンの人々に勝って帰るときに、わたしの家の戸口から出てきて、わたしを迎えるものはだれでも主のものとし、その者を燔祭としてささげましょう。(31)

 主の霊がエフタに臨みます。エフタ自身に力があって、また人々をまとめる才能があったからというのではありません。確かに、主はそのような賜物をエフタに与えておられたのでしょう。いろいろな逆境を通して、エフタは忍耐と強い精神力を身につけていったかも知れません。しかし、エフタは自分を召し、士師として立て、用いて下さるのは主であることを知っていました。ですからエフタは戦いに先立って主に向かって祈ります。
 ただここでエフタはしなくてもよい誓願を立てます。それは自分が勝利を得て帰って来たら、自分の家から最初に出て来て自分を迎える者を主のものとし、燔祭としてささげるというものでした。エフタは一体、誰が最初に出てくると思っていたのでしょう。勝利を得て帰って来たエフタを迎えたのは彼の最愛の娘でした。
 エフタの娘が実際に燔祭とされたのか、または一生主に献げられた者として独身を通すことになったのか、詳細は分かりません。しかし、エフタは自分の発した軽率な誓いの結果を刈り取ることになったのでした。



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