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サムエル記下 15章1〜18節 2016年8月7日 |
こうしてアブサロムはイスラエルの人々の心を自分のものとした。(6) アブサロムは静かに、巧妙にダビデに対する反旗をひるがえす時をねらい始めます。まず、様々な問題を抱えてダビデのもとに来る人たちの話を聞いて、彼らの心をつかんでいきます。もともとがダビデの治世の中で様々な問題を感じている人たちです。アブサロムが「分かるよ」「君の言っていることが正しい」と声をかけ続けていくことによって、アブサロムに心を向けていきます。ある意味、ダビデに欠けているものをアブサロムはよく知っていたのです。
そして四年の準備をかけて、アブサロムは今なら勝算があると、二百人の客を招いてヘブロンに行き、ラッパを吹いて自分が王になったことを宣言するのでした。人々は次々とアブサロムに加わり、エルサレムに上っていこうとします。
ひとりの使者がダビデのもとに来たとき、ダビデは戦いを避けてエルサレムから落ち延びていきます。アブサロムに従う人々が多いということを聞いたでしょうし、自分の息子との戦いを避け、エルサレムを戦場にしたくなかったということもあったでしょう。
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サムエル記下 15章19〜37節 2016年8月8日 |
しかしイッタイは王に答えた、「主は生きておられる。わが君、王は生きておられる。わが君、王のおられる所に、死ぬも生きるも、しもべもまたそこにおります」。(21) ダビデはエルサレムから落ち延び、アブサロムをたたえる群衆が彼を担ぐようにしてエルサレムに向かっているという中で、勝ち馬に乗るというようにして、アブサロムに加わる人たちも大勢いたことでしょう。そして、そういう危機の時こそ、その人の本性が見えてくるとも言えます。
ここにはそのような困難を承知の上で、ダビデのもとに集まって来た人たちのことが書かれています。ガテ人イッタイは外国人でした。自分の国から追放され、ダビデのもとに身を寄せたばかりでした。しかし、イッタイはダビデと行動をともにします。「主は生きておられる」という言葉は、彼にとって決して単なる決まり文句ではありませんでした。
アビヤタルやザドク、そしてダビデの友ホシャイもダビデのもとに来ます。しかし、ダビデは彼らをエルサレムに戻し、アブサロムの動きを探らせたのでした。
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