あなたに足りないこと マルコ 10章17〜22節
イエスは彼に目をとめ、いつくしんで言われた、「あなたに足りないことが一つある。帰って、持っているいるものをみな売り払って貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい。」(21)
イエスさまのところにひとりの青年が走ってきました。お金も地位も申し分ない、しかも品行方正で、非常に紳士的・・・非の打ち所がない。おまけに、謙虚。けれども、この青年のうちに、何か足りない、という思いがあったのです。「永遠の命を受けるために、何をしたらよいでしょうか」。主イエスはここで永遠のいのちを得るために何が大事だとおっしゃったのでしょうか。
1 永遠の命の価値の大きさを知る
主イエスがここで教えられたのは永遠の命の価値がいかに大きいかということです。どんなにお金を持っていたとしても天国の価値に比べたら、永遠の命の価値に比べたら本当に小さいのです。主イエスは彼に全財産を売り払い、貧しい人たちに施して、私に従うようにと、おっしゃいました。主イエスは決して無茶をおっしゃっているのではありません。イエスさまご自身は天国の価値を誰よりも知っておられたからです。お金だけではありません。それが神さまよりも大事になってしまうとしたら、あなたが自分の握っているものを一旦手放さないと、神さまの恵みの世界に入っていくことはできないのです。
2 天に目を向けて生きる
私たちにはこの地上を歩みながらも天に思いを向けます。それは単にこの地上で天国に貯金していないと、天国に行って天国銀行の口座に何も入っていないということになるから・・・というようなことではありません。それは地上のものに縛られていると、天国に目が行かなくなってしまうのです。
3 神の愛の招きに答え
ここで主はこの青年に慈しみのまなざしを向けておられます。それは彼を愛するまなざしです。だからここで主イエスは彼に、わたしに従ってきなさい、と招いておられるのです。主イエスは決してあなたに無理難題をふっかけて、あなたを困らせようとしているのではありません。主ご自身がまず、神の御子としてすべてのものを捨てて、貧しくなって、私たちのところに来て、十字架の上でその命さえもささげてくださいました。主イエスはあなたを愛し、あなたと共にいたいとあなたを招いてくださるのです。私がついて行っていいのですか、かえって足手まといではありませんか・・・いいえ、主があなたを招いておられるのです。
もう一つのこと・・・でもこれがないと天国に入れないという大事なこと、どうぞ顔を曇らせてイエスさまのところから去って行かないで下さい。この青年の悲しそうな顔と共に、彼を見送るイエスさまはどんなに悲しかっただろうかと思います。でもついていけるかなあ・・・大丈夫です。主があなたを支えてくださるからです。
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