出エジプト記20章1~2節

私は主、あなたの神、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。(2)

 シナイ山で主がモーセに語られた言葉として、ここに記されているのは「十戒と言われる十の戒めです。そして今日の箇所は、その十戒の前文にあたる部分ですが、この2節の言葉が十戒全体を支えていますし、また十戒の前提なのだと言うことができます。それは「私」と自ら語られる神がおられるということであり、そのお方は「主」と自らを指し示すお方だということです。「主」というお名前は、まさにエジプトで奴隷であったイスラエルの民をそこから救い出された神ということです。エジプトで一度奴隷になってしまったら、そこから自由になることはまず不可能なことだったでしょう。事実、ファラオはなかなかイスラエルの民を解放しようとはしませんでした。しかし、自らを主とおっしゃる神は、人間が不可能だと思うようなことを驚くべき仕方で成し遂げてくださいました。まさに、その奴隷の地から贖い出し、「あなたの神」と自ら名乗ってくださる神がおられる。そして、そのような神の前で、あなたは神に救い出された者として立っている。まさにそれが神とイスラエルの関係の基礎・土台だったのです。