エジプト中の初子が死んだ時、イスラエルの民は入り口に羊の血を塗った家の中にとどまり、一人も死ぬことはありませんでした。しかし同時に、このところで、神は、イスラエルの民に対して、人も家畜もすべての初子を神のものとしてささげるようにと命じられました。加えて、毎年、この出エジプトの時を覚えて、種なしパンを食べるようにとおっしゃいます。種なしパンとは、パン種(イースト菌)を使わない、クラッカーのようなパンです。パン種は少量でも全体をふくらませる、汚れを象徴するものとされました。そして実際、イスラエルの民がエジプトを出る時には、パン生地を発酵させる時間はなかったのです。
毎年、そのようなパンを食べるのは、この出エジプトの経験を忘れないためであり、この時に、神が彼らに語られたことを忘れないためでした。彼らは自分の手や額にそれをつけるようにと命じられます。それは文字通りに額につけるというよりも、自分の生活の中で覚えているという意味がありました。