ソドムとゴモラの町の邪悪さは御使いたちの予想を超えるものでした。彼らはロトとその家族にすぐにそこを出るようにと促します。神の裁きがまさに秒読みになっていたからです。娘たちはすでに婚約者がいました。しかし、彼らも、ソドムが滅びるという義父の言葉を、馬鹿げたこととしか思えませんでした。
実際、ロト夫妻や娘たちもなかなか動くことができませんでした。彼らもそれなりに豊かな生活をしていたでしょうし、持ち物も多かったことでしょう。それらを捨てて逃げるということに踏ん切りがつかないでいたロトとその家族の手を御使いたちはつかんで、引っ張るようにして、町の外まで引き出したのでした。
ソドムは滅んでしまいました。アブラハムの祈りは無駄だったのでしょうか。いいえ、確かにソドムには十人の正しい人はいませんでした。でも主はアブラハムを覚えて、ロトたちを救われたのです。私たちに戸って、祈り損ということは決してありません。