ローマの獄中にいたパウロがコロサイ教会の中心的な信徒の一人であったフィレモンに書き送った個人的な手紙です。パウロはローマの獄中で、オネシモという一人の奴隷に出会います。オネシモはパウロとの出会いによって信仰を持ち、パウロの手伝いをするようになります。しかし、そこでわかったのは、オネシモが逃亡奴隷であって、彼がコロサイから逃げてきたということ、しかもオネシモの主人はフィレモンだということでした。フィレモンのことをよく知っていたパウロはとても驚いたことでしょう。
パウロはオネシモをフィレモンのもとに送り返す決断をします。しかし、この時代、奴隷が主人のもとから逃亡した場合、とても厳しい処罰を受ける可能性がありました。パウロはオネシモをフィレモンのもとに送り返すにあたり、オネシモを「私の心そのもの」と言い、愛をもって赦し、受け入れてほしいとお願いするのです。