テトス1章

ですから、彼らを厳しくとがめてその信仰を健全なものにし、ユダヤ人の作り話や、真理に背を向けている者の戒めに心を奪われることがないようにさせなさい。(13~14)

 テトスはパウロの協力者であり、弟子の一人でもありました。パウロの協力者として、パウロのメッセージを諸教会に伝えたり、パウロに代わって、教会の立ち上げ時にとても大きな役割を果たしました。この手紙は、おそらく、テモテヘの第一の手紙と同じ時期に書かれたものと思われます。この手紙を受け取ったとき、テモテはクレタ島にいました。クレタで、生まれたばかりの教会を指導し、長老を立てるためでした。クレタの人々はよく言えばおおらか、悪く言えば嘘つきで怠け者でした。テトスはそのような中から信仰を持った人たちが健全な信仰の歩みができるように教会の土台作りを託されていたのです。ですから、この手紙のキーワードは「健全」ということです。9節には「健全な教え」とあり、13節では健全な信仰が語られます。作り話や、福音とはかけ離れた律法主義的な教えに対してテトスは戦っていかなければならなかったのです。私たちも健全な信仰に生きるお互いでありたいと思います。