パウロはこの手紙を書き終えるにあたって、神の前で、生きている者と死んだ者とを裁かれるキリストの御前で、厳かな命令を与えます。それは「御言葉を宣べ伝えなさい」ということでした。テモテは牧師であり、伝道者です。あまりにも当然の、言うまでもない命令のようにも思います。ただ、テモテの中に、ある意味での臆病風が吹いていたのかもしれません。「時が良くても悪くても」という言葉を読むと、テモテの中に見え隠れする言い訳のようなものに、パウロは気づいていたのかもしれないと思います。
しかし、御言葉の力とそこにある命を思えば思うほど、パウロは御言葉を宣べ伝えることの大切さをテモテに伝えても伝えても伝えすぎということはないという気持ちになっていたのだと思います。牧師・伝道者はもちろんのことですが、すべてのキリスト者がこのパウロの呼びかけを心に止めて御言葉を宣べ伝える者たちでありたいと思います。