テモテに宛てた第二の手紙はパウロの手紙の中で一番最後に書かれたものとされています。エフェソ、フィリピ、コロサイといった獄中書簡を書いた後、パウロは一度釈放され、イスパニア(現在のスペイン)の方まで伝道したと言われます。ただパウロは再び拘束され、ローマ皇帝の裁判によって処刑されます。この手紙はまさに、パウロが殉教する前に、獄中で最後に書かれた手紙です。その意味ではまさに、この手紙はパウロの遺言とも言えます。パウロは自分よりも若いテモテを励まし、その働きを委ねていくのです。
パウロはテモテを励ますと共に、ある意味、テモテの中にある種の臆病さ・もろさも見ているようです。パウロはここで、テモテの中にある信仰が祖母ロイスと母エウニケから譲り受け、パウロが手を置いて祈ることによって与えられた霊によるものであることを思い起こさせています。それは、まさに力と愛と思慮の霊でした。