パウロはこの手紙をローマの獄中で書いています。もともとは律法に従って、自分の力で救いを勝ち取ろうとするかのように歩んでいたパウロでした。そしてある意味、その時にはパウロは何の問題もなく、自分の置かれていたユダヤ人社会の中で生きていました。しかし、彼がかつて迫害していた主イエスを信じるようになった時、彼は多くの迫害に直面することになり、この手紙を書いている時にはローマ皇帝の前に引き出されようとしています。主イエスを信じて、真実に生きようとする空の歩みには多くの戦いがありました。
しかし、それは表面的に見えているユダヤ人との確執であったり、ローマ政府からの弾圧といったこと以上に、目に見えない悪の諸霊、闇の世の支配者であるサタンとの戦いでした。そして、その戦いに勝利するためには、霊の武具を身につけ、主の大いなる力によって悪と戦うということがとても大切でした。パウロはエフェソの人たちのために祈ると共に、自分のためにも祈ってほしいと語ってこの手紙を閉じます。この戦いは共に支え合いながら戦う戦いでもあるからです。