パウロはさらに話を進めます。このところの背後にあるのは、パウロの使徒性に対する疑義でした。確かにパウロは十二弟子ではありません。また、主イエスの公生涯の間に、主イエスに教えられたり、その奇跡を直接見たりということはなかったでしょう。しかし、パウロは自分は使徒だと言います。ダマスコ途上で復活の主イエスとお会いして、彼の生涯は変えられ、直接異邦人への福音宣教の召しをいただいたからです。
パウロはコリントでは無償で福音を伝えていました。彼の働きはマケドニア地方のキリスト者たちの献金にうよって支えられていました。パウロはコリントにおいては、報酬を与えられたからとか、強いられたから宣教しているのだと誤解されることを警戒していたのです。パウロは使徒でした。自分を捨て、福音のために、福音を信じて何人かが救われるために、すべてのことをする・・・それがパウロの生涯を貫くところの生き方だったのです。