コリント1 8章

ただ、あなたがたのこの強さが、弱い人々のつまずきとならないように、気をつけなさい。(9)

 パウロは次に、偶像に献げた肉の問題について語ります。その当時、売られていた肉は皆、異教の神殿に一旦献げられてから、出回っていました。教会の中に、そのような肉を食べてもよいかどうかという議論があったいでしょう。パウロは、食べてかまわないという考え方をしていました。そもそも偶像の神など実際にはいないのです。ただパウロはそのような「強さ」が、他の人たちをつまづかせることになってしまうかもしれないと心配しています。そんなことでつまづくのは「弱い人」だと言うこともできるでしょう。しかし、パウロは弱い人が自分の姿を見て、偶像に供えた肉を食べ、あとで良心を痛めることを心配しています。
 正しいことをきちんと主張するのはとても大切なことです。ただ、その自分の強さや正しさが、他の人たちのつまづきにならないようにしなさいと、パウロは言います。もし、誰かのつまづきになるなら、自分は今度肉を食べない・・・とさえ、パウロは言います。パウロの行動の基準はどこまでも神と人への愛だったのです。