一~八章でパウロは福音とは何かということについて語ってきました。そして十二章以降では福音にあずかった者の生き方ということが扱われます。さて、その間の九~十一章は、神の救いのご計画について書いている部分です。この部分は理解の難しい部分でもあるのですが、ローマ書の骨とも言われ、ローマ書全体を支える屋台骨のような個所でもあるのです。
パウロは異邦人であれ、ユダヤ人であれ、主イエスを信じる信仰によって、そのキリストの真実によって救われるのだと語ってきました。そこには人種や民族の差はありません。パウロは異邦人のための使徒を自認していました。しかし、ここでパウロは自分の同胞であるユダヤ人たちのために。深い悲しみを抱きながら祈ります。神はまず、イスラエルの民を選んでくださいました。しかし、彼らは神が遣わされた主イエスにつまづいて、このお方を受け入れることをしなかったのです。