使徒25章

もし、悪いことをし、何か死刑に当たることをしたのであれば、死を免れようとは思いません。しかし、この人たちの訴えが事実無根なら、誰も私を彼らに引き渡すことはできません。私は皇帝に上訴します。(11)

 ローマに任命される総督がフェリクスからフェストゥスに変わります。ユダヤ人たちは総督が交代したタイミングでまたパウロを訴え出ます。そして、パウロをエルサレムに送り返してほしいと願ったのでした。しかし、実際には、彼らは、エルサレムに移送する途中でパウロを殺してしまおうとたくらんでいたのです。エルサレムで自分の裁判を受ける意志があるかと問うフェゥトゥスに、パウロは「私は皇帝に上訴します」と言ったのでした。二年間カイサリアに監禁されていたパウロの生涯がこの一言でまた大きく動き出していきます。
 エルサレムに戻るのは危険だと思ったパウロの口から思わず出た言葉だったのかもしれません。しかし、それ以上に、パウロは主の言葉によって、ローマに行くことになることを覚悟していましたし、それを願っていましたから、この言葉が出たのでしょう。そしてパウロはローマでも自分の証しをし、自分の生涯を変えてくださった主イエスを証しすることになるのです。