マルコ9章

イエスは言われた。「『もしできるなら』と言うのか。信じる者には何でもできる。」その子の父親はすぐに叫んだ。「信じます。信仰のない私をお助けください。」(23~24)

 ペトロの信仰告白から六日の後、主イエスはペトロとヤコブとヨハネを連れて高い山に上られます。そして彼らの目の前でイエスさまの姿が変わり、その衣も白く輝いたのでした。それはまさに、イエスさまの本来の御姿と言ってよいでしょう。
 しかし、山から下りてきた時、イエスさまと三人の弟子たちを待っていたのは、厳しい現実でした。汚れた霊にとりつかれ何度も殺されそうになった男の子がおり、また、途方に暮れた弟子たちがいました。
 その子の親はイエスさまに自分の男の子を救ってほしいと求めました。この父親はいろいろな人に助けを求め、また何度も裏切られてきたのでしょう。イエスさまに言います。「もしできますなら、私たちを憐れんでお救いください」。イエスさまは父親に「信じる者に何でもできる」と宣言されました。父親は「信じます」と告白し、「不信仰な私をお助けください」と求めました。憐れみを必要としているのはまさに私です、と父親は答えたのでした。