マタイ15章

女は言った。「主よ、ごもっともです。でも、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただきます。」(27)

 ファリサイ派や律法学者たちは、とても真面目な宗教家たちでした。彼らは完璧に律法を守るために、律法を研究し、その実践に日夜励んでいました。ただ彼らは表面的に律法を破らないということに明け暮れているうちに、律法を与えられた主の思いだとか、その律法の持つ精神・本来の趣旨ということからは大分ズレてしまっていました。そして彼らはしばしば主イエスとぶつかりました。彼らは主イエスをメシアとは信じることができず、主イエスを律法の破壊者と考えたのです。
 さて主イエスはある時、ティルスとシドンの地方に行かれました。それは異邦人の地でしたが、主イエスはしばらく弟子たちと静かな時を持ちたいと思われたのかもしれません。しかし、そこに独りの女が来て、自分の娘を助けてほしいと懇願します。主イエスの態度は一見冷たくも見えます。しかし、彼女はどこまでも主に信頼し、主に求め続けたのでした。主は彼女の信仰を喜んでくださいました。