マタイ14章

イエスはすぐに彼らに声をかけ、「安心しなさい。私だ。恐れることはない」と言われた。(27)

 主イエスの到来を予告し、主イエスをお迎えする準備をするようにと人々に教えた洗礼者ヨハネは領主ヘロデに殺されてしまいます。この出来事は、主イエスにご自身の死を思わせたかもしれません。主イエスは「独り寂しい所に退かれた」のでした。主イエスのリトリートです。主イエスは独り静かな時を持ちたいと願われたのでしょう。実際には、そこに男だけで五千人の人たちが集まってきたので、静かにというのはすぐには実現しなかったのですが、有名な五つのパンと二匹のパンの奇跡の後で、主イエスは独りで山に登って祈られたのでした。
 さて、弟子たちは主イエスに強いて舟に乗り込ませられて向こう岸に向かっていました。しかし、逆風が吹いて、波のために全く前に進めなくなります。ガリラヤ湖上で苦しんでいた弟子たちのところに主イエスは水の上を歩いて近づかれます。幽霊だと言って怖がる弟子たちに、主イエスは「安心しなさい。私だ。恐れることはない」と語りかけ、彼らを向こう岸までちゃんと導いてくださったのでした。