ナホム1章

主は恵み深く、苦しみの日に砦となり
主のもとに逃れる者を知っておられる。(7)

 預言者ナホムはエルコシュの人とされていますが、エルコシュがどこであるかについては特定されていません。ナホムの活躍した時代、北王国イスラエルはすでにアッシリアに滅ぼされ、捕囚の民として連れて行かれていました。北王国イスラエルが滅んだのは、その地に住む人々が主に背き罪を犯し続けていたからです。そして南王国ユダもしばしばアッシリアの脅威にさらされていました。
 しかし、アッシリアが北王国イスラエルに対する神の裁きをあらわすものとして用いられたとしても、それはアッシリアが正しい歩みをしていたということではありません。アッシリアはとても大きく力のある国でした。けれども、そのアッシリアもまた主の御手の中にありました。ヨナの時代からはすでに数十年たっていました。高慢に振る舞うアッシリア、その首都であるニネベに裁きが臨もうとしていました。ただ同時に主のもとに逃れる人はとりでである主に守っていただけます。ナホムはそのように語るのです。