預言者ミカはとても忠実に自分に与えられた務めを果たし、誠実に主の言葉を語りました。ミカは「何と悲しいことか」と語るのですが、神が期待しておられるような実を結ぶことをしないイスラエルの民を厳しく糾弾します。神に選ばれ、神の民とされたはずのイスラエルの民が、不義を行い、賄賂をとって裁きを曲げ、お互いに誰かの足をすくおうと待ち構えているのです。家族でさえも信用できない、親しい友人でさえも信じることができない、そのような状況がありました。イスラエルに滅びが迫っていました。
そのような中で今までイスラエルと敵対してきた国々はイスラエルの滅び、その荒廃を喜びます。しかし、ミカはなおも光である主に信頼します。主はもう一度、復興を与えてくださる。イスラエルの罪がゆるされ、主なる神の慈しみのゆえに、その罪が海の深みに沈められるように、全く忘れ去られる日が来る。ミカはそのような回復の約束を聞きながらこの預言の書を閉じるのです。