ヨナ1章

しかし、ヨナは立ち上がると、主の御顔を避け、タルシシュに向けて逃亡を図った。彼がヤッファに下ると、タルシシュ行きの船が見つかったので、主の御顔を避けてタルシシュへ行こうと、船賃を払って人々と共に船に乗り込んだ。(3)

 ヨナはヤロブアムⅡ世の時代に、北王国イスラエルで活躍した預言者です。彼は北王国イスラエルの領土の回復について預言し、その通りになりました。ある意味、その時代の北王国において、王にも民にも人気のある預言者だったのかもしれません。しかし、そんなヨナに主は、ニネベに行って預言するようにと告げられたのです。ニネベはイスラエルを幾度となく脅かしていたアッシリアの首都です。ヨナとしては、ニネベが罪を犯して滅びるのであれば、本当に望ましいことに思えたかもしれません。アッシリアのために預言するなどあり得ないと思ったことでしょう。
 彼は主の御顔を避けて、ニネベとは全く逆方向に逃げます。港町ヤッファに着くと、そこに幸運なことにタルシシュ行きの船が待っています。しかし状況に流されるように生きるのは主の御心の中を生きることにはなりません。しかし、主はそんなヨナをもねんごろに導こうとしておられたのでした。