ユダの民が主に背いたときに、エルサレムに主の裁きが臨み、エルサレムは廃墟となり、その民はバビロンに捕囚となりました。しかし、主はただ、イスラエルとユダの神というだけではありません。主はすべての国々の神です。ですから、ここでヨエルはティルスとシドン、ペリシテに対しても主の裁きと滅びを告げられます。
シオンとはエルサレムのことです。エルサレムは一度は主の裁きの下に置かれますが、主は全くエルサレムを捨てられたのではありません。主は聖なる山シオンに住まわれます。山の上の町であるエルサレムで礼拝される主は、そこにその聖なる御名を置かれるのです。そして、主の宮から泉が湧き出て全地を満たします。神様の恵みと祝福がそこから流れ出し、涸れ果てた川にも水が流れ、地を満たしていきます。ヨエルはとても厳しくユダの罪深い姿を見ながらも、主による回復と、その救いの御業を大胆に語るのです。