ダニエル8章

彼は言った。「人の子よ、悟りなさい。この幻は終わりの時のことである。」彼に語りかけられたとき、私は気を失って地にうつ伏せに倒れた。しかし、彼は私に触れ、その場に立たせた。(17~18)

 七章の幻から二年後に、ダニエルはまた幻を見ました。この時点では、まだバビロンは滅んでいません。けれどもバビロンの滅亡が迫っていました。
 ダニエルの見た幻、今度は雄羊と雄山羊の幻です。雄羊はペルシアを、雄山羊はギリシア(アレキサンダー大王の帝国)を示しているとされます。雄山羊の角が折れて四つの角が出てくるのは、アレキサンダー大王の死後、国が四つに分かれることを示しています。国の盛衰も皆主の御手の中にあります。
 終わりの時、歴史の完成の時が迫っていました。主イエスが来られたことによって、終わりの時が始まったとも言われます。私たちはまさに終わりの時に生きています。私たちはこの終末を恐れる必要はありません。それは歴史の完成の時であり、私たちの救いの完成の時でもあるからです。ただ同時に、私たちは、そのことを思いつつ、今の時を忠実に生きていくのです。