エレミヤ52章

バビロンの王はヨヤキンに親しく語りかけ、バビロンで共にいたどの王たちよりも高い地位を与えた。ヨヤキンは獄中の衣を脱ぎ、その生涯を通して、常に王の前で食事を共にした。(32~33)

 五二章はエレミヤ書の最後の章ですが、ここでもう一度、エルサレムの陥落の様子が語られます。ゼデキヤ王の時代に、エルサレムは陥落し、北イスラエル王国に続いて、南ユダ王国も滅んでしまいます。主がその名を置かれたエルサレムの神殿もその他の大きな建物もことごとく、火で焼かれてしまいます。主の神殿にあった祭具やまた青銅の柱なども、バビロンに持ち去られました。
 徹底的な破壊が行われ、多くの民が殺され、また捕囚となりました。これらのことが起きたのは、イスラエルが小さかったからでも、弱かったからでもありません。彼らが主の目に悪と見られることを行い続け、それを離れなかったからです。
 しかし、このエレミヤ書は捕囚となっていたヨヤキン王が牢獄から解放され、バビロンで優遇されるようになったことで締めくくられます。ヨヤキンはゼデキヤ王の前の王ですが、その治世は三か月余りで、バビロンに捕囚になっていました。主の救いと回復の時を期待させる出来事でエレミヤ書は閉じられていくのです。