この四八章はモアブに対する裁きについて語っています。モアブはヨルダン川の東、イスラエルの東に位置する国でした。モアブとイスラエルの間にも歴史上の長い因縁がありました。モアブはイスラエルをおとしめ、主に背かせようとしました。ただ、イスラエルの二代目の王ダビデの曾祖母はルツというモアブ人の女性でした。
モアブは自分の業と富とに頼って高慢になりました。私たちはとかく自分の力を誇り、そこにすがって生きようとしたりします。そして人々を見下げ、嘲って生きるのです。モアブもイスラエルが危機の時代に、イスラエルのことを笑い者にし、嘲りの的としました。しかし、彼らは自分たちにもまた滅びが迫っていることに気づいていませんでした。けれども滅びはもうすぐそこにまで迫っていたのです。
しかし、同時に、主はモアブに対して憐れみが注がれることも語ります。滅びの向こうに回復が用意されていました。ただただ主の憐れみによることでした。