この四九章の最初のところは、しもべの歌と言われる箇所の二番目になります。このところではしもべは、主の御手の陰に隠され、そのご自身の矢筒の中に隠されています。このしもべは鋭利な剣のように勝利をもたらすことのできるお方ですが、同時に主の御手の中に隠され、主との親しく深い交わりの中に守られています。このしもべは主の栄光をあらわすお方です。しかし、彼の労苦は無駄なもの、空しいもののように思われます。これはやがて来られるしもべなるメシアの働きがなかなか報われないように思われることを示しています。
けれども、このお方は御自分の民をご自身のもとに立ち返らせるためにその働きをなさいます。これはまさに、主イエスがしもべとして来てくださったときに、人々がなかなか主イエスの宣教を受け入れなかったことを示しています。主イエスが救いの道を示してくださたにも関わらず、人々はなかなかまっすぐに主イエスを受け入れようとしなかったのです。