イザヤ42章

見よ、私が支える僕、私の心が喜びとする、私の選んだ者を。私は彼に私の霊を授け、彼は諸国民に公正をもたらす。彼は・・・傷ついた葦を折らず、くすぶる灯心の火を消さず、忠実に公正をもたらす。(1~3)

 このイザヤ書の後半部には「しもべの歌」と呼ばれる箇所が4つ出てきます。神の救いは人間の業や努力によってもたらされるのではなく、神の遣わされる救い主(メシア)によって成し遂げられる。そして、その救い主は単なる力ある権力者として来られると言うよりも、神に仕え、人に仕えるしもべとしての働きをするというのです。
 この1~4節の箇所は主イエスによって成就した預言として、新約聖書にしばしば引用されます。1節の言葉は、主イエスのバプテスマや変貌の山で天から聞こえた声でもありました。この救い主は大声を上げ、人々をその怒鳴り声で威嚇し、黙らせるようなお方ではなく、傷ついた葦やくすぶる灯心のような者をも決して切り捨てないお方です。かえってそのような弱い者を生かし、その救いをもたらしてくださいます。主の大きないつくしみと憐れみの中に生かされていることを心より感謝したいと思います。