イザヤ書三六~三九章は散文になっており、前半と後半の橋渡しをする役割をしています。イザヤ書の前半においては、イスラエルの罪が指摘され、同時にそれを超える主の憐れみ、裁きの向こうにある回復が示されていました。そこで主が繰り返し語られたのは、主に信頼するようにという招きでした。そしてイスラエルの歴史の中で主に信頼して救いを経験した実例としてヒゼキヤ王の実例を上げるのです。
ヒゼキヤ王の時代、アッシリアの王センナケリブは、エルサレムに攻めて来ようとしていました。そして王はラブ・シャケを遣わして、巧みな言葉を用い、エルサレムに住む人々とヒゼキヤ王に降伏を勧めたのでした。そこで、ラブ・シャケが突きつけた問いは、「あなたが頼りにしているものは何か」というものでした。ラブ・シャケは、ヒゼキヤ王が何に頼ったとしても何者もあなたを救うことはできない、と脅してきたのです。しかし、ヒゼキヤはまさに、主に頼ってこの非常に厳しい難局を乗り越えようとしていました。