クシュとはエジプトの南に位置していたと言われる大国です。ナイル川の上流に位置し、豊かな繁栄を誇りました。古代においては、エジプトより南をエチオピアと呼ぶこともあったようです。いずれにしても、イスラエルよりもずっと大きく、また当時の超大国もその動きを無視するわけにはいかなったようです。
しかし、イザヤはこのところで、クシュからの使者がシオンの山、エルサレムにやってくる状景を描いています。大きな国であるクシュからの使節団が万軍の主をあがめ、礼拝するために上ってくるのです。この時代の人々は、基本、大きな勢力を持つ国の神は強いと考え、大国の神々の神殿をこぞって建設し、礼拝を献げました。ですからこの状景はイスラエルの繁栄が回復することを予告していますし、また万軍の主が世界を統べ治めるところのお方であることを指し示そうとしています。そしてイザヤが預言した通りになったのでした。