「空の空、空の空、一切は空」と知恵を極めたコヘレトは語っていました。知恵に進んでいく中で、世の中をそれほど単純に見ることができなくなっていたのでしょう。
しかし、彼は若者たちに、「若き日に、あなたの造り主を心に刻め」と勧めます。自分をはるかに超えた超越者であり、全能者であり、絶対者である主を知らずに歩むとしたら、この地上の生涯はあまりも虚しいからです。
そして、コヘレトは彼の探求を次のように結論づけていきます。「神を畏れ、その戒めを守れ。これこそ人間のすべて」。神を計算に入れない生涯はあまりにもむなしく、また割り切れないことだらけです。しかし、だからこそ、神を神として生きることの大切さを思います。私たちはすべての理屈を理解しているわけではありません。しかし、神の戒めによって生かされて歩むことこそが一番賢明であり、命につながるのです。