詩編125編

主に信頼する人はシオンの山のように
揺らぐことなく、とこしえにとどまる。(1)

 都に上る歌が続きます。この詩編ではエルサレムのことを「シオンの山」呼びます。エルサレムは、いわば山の上の町です。山と言っても日本の各所にあるような険しい山というよりは小高い丘のような場所でした。三方が深い谷に囲まれた自然の要害でもありましたし、確かにイスラエルの他の町々からすれば標高も高い場所にあります。巡礼者たちは主の臨在を求め、主を礼拝するためにエルサレムに上っていきます。そして主を礼拝するために旅を進めながらこれらの詩編を口ずさんだり、歌ったりしたのです。
 イスラエルの人々にとって、海は不確かで不安定な場所、山は確かで動かない場所でした。ここで詩編の記者は、主に信頼する人を、シオンの山のようと言います。主に信頼する人は揺らぐことはありません。それは揺らぐことのない主にすがって生きているからです。そして、主は、ご自身に信頼する人を囲むようにして守ってくださいます。それはまさに、エルサレムの町が主によって囲まれ、守られているのと同じでした。