作者の歩みは決して平坦な道のりではありませんでした。怒りを燃やし、逆らって立つ者たちがいました。大水や激流のような困難が押し寄せて、作者たちを押し流し、飲み込もうとすることもありました。作者たちを餌食にし、罠をかけて捕らえようとする人々もいました。様々な戦いがあり、困難がありました。それは決して生易しいものではなく、幻想ではありませんでした。
ここでこの詩編の作者は「もしも、主が我らの味方でなかったなら」と繰り返します。もし、主が味方でなかったら、自分たちはもうとっくに苦難の中にあって飲み込まれ、自分を取り囲む敵によって滅ぼされてしまったことでしょう。しかし、ここでそのように語っているのは、もし、主が味方でなかったらもう滅ぼされてしまっていただろうけれど、現実には、主が味方であったから大丈夫だった、自分は救われた、と言いたいからです。私たちの味方として、私たちのそばに立ち、私たちを支えてくださる主がいてくださるとは何とさいわいなことでしょうか。