この詩編の記者は悪しき者が勝ち誇るのを見て、何とも割り切れない思いでいます。正しい歩みをしている自分の方がいろいろな災いにあっているように感じているのです。しかしこの記者は主が自分を見捨てることなく助けてくださることを知っています。
この詩編の記者は身の危険を感じることがしばしばあったのだと思います。あっ危ない、足がよろける、というそういう時です。足をすくわれ、倒れてしまいそうなそういう時・・・。しかし、この詩編の作者は、そういう危機的な時、私を支えてくださる主の慈しみに気づくというのです。
信仰的な態度で歩むことができることばかりではありません。思い煩いで心がいっぱいになる時もあるでしょう。しかし、そのような中で、この詩編の記者は、物事が自分の思い通りに動いていくような順境の時には知ることができないような主の慰めを覚え、主から与えられる喜びに心が満たされてくるのを感じるのです。