詩編54編

見よ、神はわが助け。
わが主は私の魂を支える人々の中におられる。(6)

 この詩編の記者は苦難の中にあります。敵がいて、荒ぶる者がこの詩編の記者の命をねらっています。そして悪をもってこの作者を攻めるのです。
 そのような厳しい状況の中で、この記者は「神よ」と声を上げます。そして自分を助けて下さる神をもう一度見上げるのです。敵がいないわけではありません。危険もあります。確かに苦難はあるのですが、そこから神は救い出してくださるとの信仰に立って神に感謝し、感謝のいけにえをささげるのです。
 同時に、この詩編の記者は、「私の魂を支える人々」の存在に目を向けます。私たちに立ちはだかり、敵意をむき出しにする人も確かにいるのですが、自分のそばにいて自分を慰め、助け、支えてくれる人々が備えられている。そしてこの詩編の記者は、そのような人々の中に、共にいてくださる主を見たのでした。そしてまた私たちも、助けを必要としている人々のために置かれていることを覚えたいと思います。