この詩編の作者は「神などいない」と神の存在を受け入れない人は、愚かだと言います。証明できないことは信じないという人もいます。科学で確認できないものを信じるのは迷信を信じるのと同じだと言う人もいます。昔から多くの神学者たちが「神の存在証明」に取り組んできました。その証明にはいろいろな仕方があるのですがすべての人を納得させることはできないでしょう。どうしても最後の一歩のところでは、「信じる」ということが求められるように思います。ただ神の存在証明以上に難しいのは「神の不存在証明」です。
この五三章を、後にパウロが引用して、ユダヤ人も異邦人もすべての人が罪人だということを語りました。神を信じていても、神がいないかのような生き方をすることもあります。神を求めることなく、罪の中を歩む私たちは、滅びるしかありません。しかし、そんな私たちのために神はすばらしい救いの道を備えてくださったのです。