詩編30編

あなたは私の嘆きを踊りに変え、
私の粗布を解き、喜びを帯とされました。
それは、心の底からあなたをほめ歌い
口をつぐむことのないためです。(12~13) 

 この詩編の記者は深い嘆きの中にありました。彼は大きな試練の中を通りました。そのような苦しみを通る前には、「私はとこしえに揺らぐことなどない」と言えたでしょう。しかし、困難の中にあって、まるで主が御顔を隠しておられるのではないかというような厳しい状況の中に置かれた時、まさに怖じ気づき、恐れ、不安の中に閉じ込められるようなところも経験しました。しかし、主はそのようなところからもこの作者を救い出してくださいました。
 この作者は嘆き、また粗布をまとうような大きな悲しみの中も通りました。けれども、この作者は踊るようにして、心の底から主をほめたたえています。嘆きや悲しみがなかったわけではありません。神がそれらの嘆きや悲しみを踊りや喜びへと変えてくださったのです。ですからこの詩編の記者は止むことのない賛美を主の御前に献げているのです。