この詩編の作者は、「忠実な人」「真実な人」がいなくなってしまったことを嘆いています。皆、口は上手なのですが、その語ることは空しく、また表面的には主を敬っているようなことを言っていても、そのような生き方をしていませんし、また、陰では違うことを言っていたりします。そして彼らは上手に口で人々をだましながら、そのことを誇っています。そんな中で貧しい人たちが虐げられ、弱い立場の人たちが苦しめられています。それがこの作者の見ている現実です。
しかし、この作者はもう一つの現実を見ています。それは苦しむ人・貧しい人をそのままにしておかれることなく、立ち上がって救おうとされる主がおられるということです。
そして主は自ら語られたことを、必ず成し遂げてくださいます。この詩編の記者は立ち上がって救おうとしておられる、この主を見上げるのです。