詩編6編

退け、悪事を働く者は皆。
主は私の泣く声をお聞きになった。
主が私の願いを聞き
主が私の祈りを受け入れてくださる。(8~9)

 この詩編の記者は大きな苦難の中にあります。彼は病み衰えて死を覚悟しています。肉体も魂も震えおののき、いつまで続くか分からない苦しみの中に置かれているのです。体の弱さだけではありません。彼の苦しみを何倍にもするような悪しき者がいます。この作者は夜ごと嘆き苦しみ、またそのような嘆きにも疲れてしまっています。
 しかし、この記者はそのような苦しみの中で主に叫びます。そして彼は、主が自分の泣く声を聞いてくださったという確信を与えられるのです。彼はなお苦しみの中にあるのでしょう。しかし同時に、彼は主が自分の願いを聞き、自分の祈りを受け入れてくださると信じて主を仰ぎます。
 私たちは主が救い、問題を解決してくださる時に、主に感謝し、主をあがめます。しかし、同時に、主は私たちが苦難の中にあっても、祈りを聞いてくださる主に信頼することを求めておられるのです。