詩編3章

私は身を横たえて眠り、目覚めます。
主が私を支えておられるから。(3)

 この詩編には1節に小さな字で、この詩編が書かれたときの状況が添えられています。実はこの前文は後からユダヤ人たちによって付け加えられたものとされています。ですから、この小文字の部分はユダヤ人たちの言い伝えを記したもので、事実かどうかは不確かとされています。ただ少なくともこの詩編を読むユダヤ人たちはダビデがその子アブシャロムに追われたときの苦悩を思い起こしたのです。
 この詩編の記者はとても大きな苦悩の中にあります。彼はうつむいて、顔を上げることもできません。私たちにもそのような時があるかもしれません。苦しみの中で主を仰ぐことさえできない、そのような時です。しかし、主は私たちの頭を起こし、再び主を仰がせてくださいます。苦悩があります。本当だったら夜も眠れないよな不安の中にあって、それでも、この記者は眠り、目を覚まします。彼がそのように生きることができたのは、まさに主が作者を支えてくださったからでした。