ヨブは悪しき者がどんなにこの地上で富み栄えたとしても、その繁栄が長く続くことがないことを知っています。神に背きながら、一時的に豊かな生活をしたとしても、神は必ず正しい裁きを行ってくださいます。神を神とせず、神を敬うことのない者には希望がないのです。
しかしヨブはこれまで正しい生き方をしてきました。正しい神がおられるのだったら、どうして神はヨブがこのように苦しむことを許されるのでしょうか。
この地上に苦しみがあることについて、昔から人々はいろいろなことを考えました。一つの考え方は、神にもどうすることもできないことがあるという考え方です。しかしヨブは神が全知全能のお方であることを知っているのです。またもう一つの考え方は、世界には善なる神と悪なる神がいるのだという考え方です。そして私たちに臨む災いはこの悪なる神から来るというのです。しかしヨブは神がお一人であって、しかもそのお方が善なるお方であることを知っています。ヨブは、苦しみの中にあってもだえながらもこの神を敬いつつ、このお方に望みを置くのです。