ヨブ26章

見よ、これらは神の道の一端。
神について聞きうる言葉はなんと僅かなことか。
その力ある雷鳴を誰が悟りえようか。(14)

 ヨブの友人たちはこれまでどれだけの人たちを慰め、励まし、助け、救ってきたでしょうか。ヨブに対する対応を見ていると、彼らが苦しむ人たちに、ヨブと同じように向き合ってきたとしたら、彼らが自分たちを安全な高い所に置いた上で、親切で、知恵のある顔をしながら、どれだけ多くの人たちを傷つけ、また傷口に塩を塗るような冷たい対応をしてきただろうかと思います。もちろん、ヨブの友人たちだけを責めることはできません。私たちも応応にして同じようなことをするからです。
 ヨブは神の知恵と力の大きさを語ります。しかしどれだけ神の力の大きさを語ったとしても、それは神の全体を現すことはできません。ほんの一部だけです。神について語ると言っても、人間の知恵や言葉で神を理解したり、表現することは、非常に難しいことです。そうであるのに、神のことが何でも分かっているかのように、ヨブを断罪する友人たちにヨブは失望しているのです。