ヨブの友人たちの二人目、ビルダドが口を開きます。ビルダドは過去の歴史に学び、今まで歴史の中に生きた人たちの実例を思い起こしながら結論を引き出していきます。ただ結論はエリファズと同じです。正しい者は栄え、罪深い者は滅んでいく。だからヨブがこのようなひどい苦しみの中にあるのはヨブがよほどの罪を犯したからだ。ただもし、ヨブが自分の罪を悔い改めるなら、主は赦し、繁栄を回復してくださると勧めるのです。ビルダドの言葉も一見愛に満ちた呼びかけのように見えます。しかし、やはり一方的で冷たいものです。
ヨブは自分の財産を失い、それまでの豊かな生活を失いました。また、健康を失い、ただただ苦しみと恥の中に置かれています。それだけではありません。ヨブは十人の子どもたちを一気に失います。どんなにつらく悲しいことだっただろうかと思います。しかし、そんなヨブに対して、子どもたちが死んだのも、彼らが神に罪を犯したからだと言ってしまう・・・悲しみの中にある人に対する愛と慰めはそこにはありませんでした。