ヨブと三人の友人たちとの論争が始まります。ヨブ記の中ではこの論争が3セット繰り返されることになります。最初に語り出したのはエリファズでした。ヨブの友人たちはヨブの苦しみを理解することはできませんでした。そしてヨブが自分の生まれた日を呪うという中で、黙っていることができなくなったのでした。
エリファズの論旨はこうです。今までの歴史の中でも、罪がないのに断ち滅ぼされた者があるか・・・そして、ここで彼が言いたいのは、ヨブがこれほどの苦しみを経験しているのは彼の罪の結果であり、彼が正しくなかったので、このようなことが起こるのだ、というのです。
苦しみの中にある人に、「あなたはきっと何か悪いことをしたのでしょう。これだけ悪いことが起こっているのは、あなたはよほど悪いことをしたに違いない・・・」というのはかなり残酷な言い方です。そもそも、神は人を信頼などしていない。どこまでも人は罪深いのだからと彼は言うのです。