エステル3章

王の門にいる王の家臣たちは皆、ハマンにひざまずいてひれ伏した。王が彼のためにそのように命じていたからである。しかしモルデカイはひざまずかず、ひれ伏しもしなかった。(2)

 さてエステルがクセルクセス王の新しい王妃に選ばれた時代、王宮で着実に力をつけ、王の信頼を得ていった一人の男がいました。それがハマンです。彼は政治力があり、また有能だったのでしょうし、また王に好かれるものを持っていたのだと思います。ただ彼は上りつめていくにつれて鼻持ちならない者になっていきました。
 王は人々にハマンの前でひざまづくように命じていました。そして実際に人々がハマンに最大限の敬意を示し、また敬意を越えて、まさに礼拝しているかのようにしているのをハマンは満面の笑みで見ていたことでしょう。しかし、そんなハマンの前でひざまずかない人物がいました。モルデカイです。ユダヤ人のモルデカイにとって、大臣ハマンの前にひざまづくということは、神以外のものを礼拝することに等しかったのです。また王宮の門を守る者の一人として、職務上もふさわしくないと考えたのかもしれません。いずれにしても、怒ったハガイはモルデカイだけでなくユダヤ人を皆殺しにする計画を立てたのでした。